クラウド運用代行サービスを使うことの利点

データ運用をクラウドサービスに移行している企業が増えています。社内サーバーを設置してデータを管理するよりも、むしろ外部に出してしまってセキュリティの高いクラウドとその運用代行サービスを利用した方が安心できるという判断なのでしょう。

また、どこからでもアクセスできるデータというのは、テレワークとの相性も良く、企業の多面的な働き方に活用できる方法として注目されています。

クラスメソッドによるAWS運用の特徴と魅力

社内でのデータの取り扱いと管理

これまで企業で扱うデータは、基本的に社内で管理されてきました。業務用に配布されたノートパソコンも、自宅に持ち帰ってはいけない、もしくは持ち帰っても起ち上げてはいけない、というルールのある会社も多くありました。

それは書類などのデータも同様で、機密書類や機密データは万が一の漏えいを防ぐため社内での管理が徹底されていたのです。企業によっては書類の内容をパソコンでデータ化しても、必ず同じデータを書類で用意してファイリングしておかなければいけない、というルールがあるところもあります。

これは個人情報や機密情報を取り扱う業務かどうかで別れるため、一概に古いとか、アナログであるとかは言えない部分です。しかし必ずしもデータ化に問題のない業務に関して、データ化は進んできました。業務のあらゆる書類がデータ化されると、その管理が必要になります。

多くは各自のパソコンで作業したら、社内ファイルサーバーの指定の場所に保存しておく、というスタイルが取られました。システム管理者は定期的にサーバーのバックアップを行い、万が一に備えます。万が一というのは停電や雷などもあるので、サーバーには無停電電源装置など、電気が切れても一時的に電力が供給される機械などが活用されてきました。

クラウドサービスの活用

ネットが普及してきて、また、ブロードバンド回線が当たり前に使われるようになってから、データをネット上に置くという考え方が生まれました。これは初めのうちはなかなか普及せず、懐疑的に思われていたテクノロジーです。

まずセキュリティ面に不安があったこと、そしてネットが使えない環境ではデータにアクセスできないこと、それからサービス自体がいつ終わるか分からないことです。いつなくなるか分からないものに業務の大事なデータを預けることはできません。

そしてせっかくクラウドに保存しているのに、社内でも厳重にデータを管理していたのでは手間が掛かるだけです。しかしクラウドサービスは次第に活用され始めました。大手が参入したり、サービス会社がパッケージとしてセキュリティ面とセットで売り出し始めたからです。

また、業務によってはほぼネットに依存した体制になっているものも多く、システムをいじるにも問い合わせ対応をするにもネットを介していて、結局データ管理もそこで行えばいい、という空気になってきたからでしょう。

特にウェブサービスやネットゲーム関連の業務は開発環境もネット接続前提のものが多く、抵抗がなくなっていき、クラウドにデータを保存するという形が自然になってきました。

クラウドデータの管理の大変さ

そこでしっかりとしたクラウドサービスをレンタルし、業務用のデータをアップロードするのですが、それもまた膨大な量のデータとなると簡単には行きません。社内で管理していた時のようにシステム管理者が常駐して、アップロードされたデータにエラーがないか、システムからエラーメッセージが出ていたらその確認、修正などをしなければなりません。

ネット回線の不調などもあればそれによって引き起こされた不具合の確認、アップロードされなかったデータの調査など、作業は多岐に渡ります。規模にもよりますがそれに人員を割いていてはせっかくのクラウドサービスが、ただ場所を移しただけのものになってしまいます。

データのバックアップや定期監視はシステムの機能として行えますが、イレギュラーな動作はどこにでも発生するものです。せっかくクラウド環境になってデータアクセスの面では自由になったのに、前より手が取られてしまいます。

そこで活用されるのが、クラウド運用代行サービスです。

クラウド運用代行サービス

クラウドサービスとして多く使われているのが、AWS「Amazon Web Services」です。AWSはAmazonの行っているクラウドサービスで、クラウドサービスの業界において40%ほどのシェアを誇っています。

Amazonという名前は知っているから、安心して使えるという点が大きいのでしょう。しかしAmazonが行っているのはクラウドサービスのレンタルだけなので、運用代行は別で頼む必要があり、そのサービスを請け負う会社が現在、たくさん登場しているのです。

まず企業の大事なデータを扱うサーバーなので、24時間体制の監視は欲しいところです。参考リンク→AWS監視 ... CloudCREW

これは外注しているからこそできる点で、社内の人員を割いて急に24時間体制にするのはなかなか難しいところです。

また運用、監視の面でも技術のあるスタッフに対応して欲しいという需要には、AWS認定資格という指標があります。

これはAWSを利用したクラウドの専門知識を証明する資格で、各社この資格を持つスタッフを用意し、それをアピールしています。

気を付けなければならない点

クラウドを借り、運用代行サービスを頼んだならあとは業務に集中できます。どこからでもデータにアクセスできる便利さは、外を飛び回る営業職の人には特に便利に思えるでしょう。しかし当然のことながら、ネットが繋がらない場所からはアクセスできません。

また、大規模通信障害などが外出時に発生した場合も、どうにもできなくなります。日頃からどうしても必要なデータはノートパソコンなどに入れておくようにしましょう。そして最終的なバックアップは、アナログで残しておくべきです。

これを毎週やっていてはクラウドにした利点が薄れてしまいますが、月に一度のバックアップを運用代行サービスに頼んでおき、メディアに焼いてもらうのです。サービスに絶対というものはありません。人為的なミスも考えられるでしょう。

それが起こった時、被害を最小限に抑えるためにも定期的なバックアップは必要です。

クラウドサービスとクラウド運用代行サービス

優秀なクラウドサービスが登場し、それに追随するように運用代行サービスも登場しました。日頃からデータを扱っていて、それがクラウドでいつでもアクセスできるようになると便利になる業務はたくさんあります。最新テクノロジーは使い始めるのが大変ですが、それをサポートするサービスも出てきたことで、導入まで簡単に、そのサービスを活用できる環境が築けるでしょう。